人それぞれ体に匂いがある様に、口の中にも匂いがあります。
正常な匂いの場合、生理的口臭と言いますが病気やその他の原因で(多くの場合、口の中に原因が在ります)他人に不快な気持を与える匂いとなる場合があります。それを口臭と称します。
自分以外の人の感じ方で、口臭かそうでないかが決まります。
では、口臭の原因について見てみましょう。
✔口臭の原因
✔セルフチェック
✔口臭の予防について
口臭の原因は?
生理的口臭
誰にでもあるにおいで、起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)は特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるためです。しかし、食事をしたり水分を補給するようにすることで唾液量が増加すれば急激に口臭は弱まります。また、歯みがきで細菌やVSCが減少するので、口臭改善にもなります。したがって生活習慣の改善でよくなるので治療の必要はありません。
また、女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)、民族的な口臭もあります。
飲食物・嗜好品による口臭
ニンニク、ネギ、酒、タバコ等による口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも無くなりますので治療の必要はありません。
病的口臭
鼻やのどなどの呼吸器系の病気、また消化器系の病気や肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の90%以上は口の中にその原因があます。歯周病、むし歯(う蝕)、歯垢(しこう:歯の周りに付く細菌の固まり)、歯石、舌苔(ぜったい:舌の表面に付くコケ状の細菌の固まり)、唾液の減少、義歯(入れ歯)の清掃不良などがあげられます。
病気の原因を治療することで口臭を減らしたり、治すことができますのでまずは検針を受けてください。
ストレスによる口臭
ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。
心理的口臭
自分自身で強い臭いがあると思い込む人がいます。
口臭の原因となる病気の種類
1.歯周病(歯ぐきからの出血)
初期においては痛みもなく自覚できません。ほっておくと静かに進行する病気です。
一見何でもないようでも、歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。
2.むし歯
むし歯は独特の臭いを持っています。歯垢(しこう)が付着してくると歯を磨いてもなかなかきれいにとれません。そのためにむし歯ができます。食べかすやむし歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、口臭の原因になります。
小さなむし歯で口臭が強くなることはありません。しかし、むし歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。
3.歯垢(しこう)(プラーク)
歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。食べ物の残りかすを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、長期間たつと歯石を作っていきます。むし歯や歯周病の原因になります。
4.歯石
歯垢が作ったかたく固まった石灰分です。歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。また歯石が付くことにより歯周病を進行させます。
5.舌苔(ぜったい)
体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌の固まりです。これも口臭の原因になります。舌をきれいにすると口臭も軽減します。
6.唾液の減少
唾液は口臭予防に大切なものです。口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあります。唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔にむし歯や歯周病になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。
7.プラスチックの人工歯
義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着しますので、毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。
8.不良な冠、かぶせた金属の腐食
歯にかぶせた金冠が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れがたまり易くなります、また歯にかぶせた金冠の金属材質が体質に合わない場合があります。これらがあると口腔内が不潔になります。痛みがないために悪くなっていても気がつきません。意外と口臭の原因になっている場合が多いものです。
9.口腔ガン
口の中の癌(舌癌、頬粘膜(きょうねんまく)癌など)により口臭が発生することがあります。
10.鼻やのどの病気
鼻は口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。
11.その他呼吸器系の病気、消化器系の病気
全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。
セルフチェック
また、下記の中で当てはまるものがあれば、歯周病や虫歯の可能性があります。
✔歯ぐきからよく出血する。
✔歯ぐきがよく腫れる。
✔口の中がネバネバする。
✔グラグラした歯がある。
✔歯と歯の間に食べ物がよくはさまる。
✔穴のあいた歯がある。
✔歯の表面を舌でさわるとザラザラしている。
✔義歯、ブリッジ、冠などが、入っている。
✔舌を磨いたことがない。
✔口の中がパサパサしている。
口臭の予防と対策について
口腔内を清潔にする
口臭の原因の多くがお口の中のトラブルです。口腔内を清潔にすることで口臭の改善が見込めます。
まずは歯磨きです。口臭は食べかすなどの汚れが口の中の細菌と反応することで発生してしまいます。毎日丁寧に歯を磨き、食べかすや歯垢など、口の中の汚れをしっかり落としましょう。歯磨きの際には歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも活用すると良いでしょう。
また、口臭の直接的な原因となる舌苔を除去するのも対策のひとつです。鏡で舌を見て舌苔が目立つようなら一日一回、毛先の柔らかい子ども用の歯ブラシや専用の舌ブラシを用いて優しく舌清掃を行いましょう。ブラシは舌の奥から手前に向かって一方通行で動かします。掃除しすぎると舌の粘膜を傷つけてしまう可能性があるので、磨き過ぎには十分注意しましょう。
口腔内の乾燥を防ぐ
唾液が減って口や喉が乾燥している状態は「ドライマウス」と呼ばれ 、口臭の原因になる ことが知られています。唾液には細菌の増殖を抑え口の中をきれいにする作用があるため、口が乾燥しないようにする対策を行いましょう。
唾液の分泌は咀嚼などの刺激によって促されるため、よく噛んで食べることで唾液の分泌量を増やすことができます。普段から食事のときにはよく噛んで食べることを意識し、唾液の分泌を促しましょう。食事以外のときにも、ガム等を噛むことで唾液を分泌させることができます。
また、直接的な乾燥に繋がる口呼吸ではなく、鼻で呼吸をすることも重要です。
生活習慣を変える
口臭の強さは体調によっても左右されます。口臭の原因となるような生活習慣を改善することも、口臭の治療には有効です。
口臭を引き起こす舌苔の原因になりがちなのは食生活の乱れです。暴飲暴食や刺激物の摂り過ぎは消化不良を引き起こし、胃腸が荒れてしまうと舌苔が厚くなる場合があります。バランスの取れた食事を毎日規則正しく摂ることを心がけましょう。
たばこを吸っていると唾液の分泌が減ったり、歯茎の血流が悪くなったりすることが知られています。唾液が減って口の中が乾燥すると、口臭は悪化してしまいます。たばこを日常的に吸っていて口臭が気になるという方は、禁煙をすると口臭が改善される可能性があります。
専門医に相談する
病気が原因となって口臭が強くなっている場合、専門医による治療が必要です。特に、口臭以外にも口の中に異常があるようなら、すぐに歯科を受診しましょう。
強い口臭が続いているときには、歯周病や虫歯など口の病気が隠れている可能性があります。病気が原因の口臭は治療を受けなければ改善しません。
よくある質問
ドライマウスの原因としては、薬の副作用やストレス、加齢や全身的な病気などにより唾液の量が減少してしまうことが挙げられます。ドライマウスは口臭の原因にもなります。
強く当てすぎたりして舌や粘膜を傷つけないようにすることがポイントです。
また、根本的な原因を把握して解決するためにも、歯科医でご相談ください。
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