親知らずの抜歯、と聞くと「痛そう」「できればしたくない」と思うでしょう。
家族や友人に一人ぐらいは親知らずの抜歯をした経験のある人がいると思います。その術後の感想がだいたいこれだと思います。しかし、親知らずも十人十色。
生え方も人それぞれなので、抜き方や術後の経過も人それぞれなんです。
詳しく書いていくので、よく読んでね!
✔親知らずについての基礎知識
✔親知らずが引き起こす病気について
✔親知らずを抜くか抜かないかの判断、抜く場合の手術について
この記事の目次
親知らずとは
「親知らず」とは、いわゆる一番後ろの歯です。(第三大臼歯、智歯とも言います)
親知らずは10歳頃にアゴの骨の中で形ができはじめ、20歳前後で生えてきますが、中には生えてこない場合もあります。
生え方が悪いことが多いので、ほとんどの場合で抜いたほうが良いですが、実は親知らずを抜かずに残しておいた方が良い場合もあります!
親知らずの生え方
真っすぐ生えている
もっとも理想的なのは、親知らずがまっすぐきちんと生えているタイプです。
この場合は他の歯と同じように機能しているので、清掃が行き届いていれば口の中で問題となることはあまりありません。
ただし、こういったまっすぐ生えるタイプの親知らずが生えている方はあまり多くはいません。
一部だけ見えているor斜めに生えている
もっとも口の中でトラブルを起こしやすいタイプです。
親知らずが斜めに生えており、全体ではなく一部分だけが口の中で見えている状態です。完全に生えているわけではないので、歯垢や汚れが溜まりやすくなります。歯ブラシが届かず汚れが溜まると、虫歯や歯周病の原因となります。
さらに、外側に向かって斜めに生えていると口の内側を噛んでしまう恐れもあります。
加えて、親知らず周辺の衛生状態が悪くなると、体調不良の際に腫れたり痛みを感じたりするかもしれません。
完全に埋まっている
親知らずが完全に埋まっているのであれば、虫歯、歯周病などの心配は少ないでしょう。
ただし骨の内部に嚢胞(のうほう)という袋状の塊ができることがあります。嚢胞は骨を圧迫したり溶かしたりする恐れがあるので、症状によっては手術によって除去しなければなりません。
また、レントゲンを撮って確認すると、歯は骨から出ているが萠出していない場合は虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
親知らずが引き起こす病気について
虫歯・歯周病
親知らずが「傾斜」して、歯肉に半分埋まった「半埋伏」状態では、親知らずの周りが「不潔」になりやすく、親知らずだけでなく、その手前の歯(第二大臼歯)まで虫歯や歯周病になることがあります。
歯冠周囲炎
親知らずの周囲の歯肉が急に赤く腫れて痛くなることがあり、これを歯冠周囲炎、あるいは智歯周囲炎といいます。20~30歳台に多くみられますが、60歳を過ぎても見られます。
歯冠周囲炎が悪化すると顔まで腫れて口が開きにくくなったり、ノドが痛くなったり、首や胸にまで炎症が大きく広がれば、蜂窩織炎などになり命に関わることもあります。
抜いたほうが良いのか、抜かなくても良いのか
親知らずは虫歯や歯周病、歯冠周囲炎などの原因になることが多いため、抜歯となることが多いです。
しかし、正常に生えて機能している場合や将来的に利用する可能性がある場合は、抜歯せずに残しておいたほうが良いこともあります。
抜くリスク、抜かないリスクを十分に比較して歯科医師と相談して判断されると良いでしょう。
抜いたほうが良い場合
虫歯や歯周病の可能性がある場合
親知らずを抜いた方がよいケースとして挙げられるのが、虫歯や歯周病になっている、もしくはその恐れがある場合です。
とくに親知らずが斜めに生えていると、他の歯との間に隙間ができて歯磨きが上手に行えなくなります。その結果、親知らずとその周辺の歯が虫歯になり、歯周病のリスクも高まります。
このようなケースでは治療をしても虫歯や歯周病を繰り返すことが多いので、親知らずを抜歯してしまった方がよいでしょう。
かみ合わせが悪い場合
親知らずは通常上下左右に1本ずつあるため、それぞれの親知らずに対となる親知らずが存在します。
しかし何らかの理由で対になる親知らずがない、あるいは生えてこないと、噛み合わせが悪くなってしまうでしょう。親知らずが噛み合う場所にある歯茎を傷つけてしまう恐れもあります。
歯茎に痛みを感じる場合には、歯科医に相談して抜歯を検討しましょう。
抜かなくても良い場合
正常に生えている場合
親知らずがまっすぐ完全に生えていて、噛み合わせにも問題がなく機能しているのであれば、あえて抜歯する必要はありません。
力を入れる際に歯を食いしばることがありますが、上下揃っている親知らずはしっかりと貢献してくれます。
完全に埋まっている場合
親知らずが完全に埋まってしまっている方もいますが、そのようなケースでもあえて親知らずを抜歯する必要はありません。
痛みを感じず、口内や顎に悪影響を与えていないのであれば放置しておいてよいでしょう。
抜かずにおいておくという選択肢
親知らずを保存しておいて他の臼歯が失われたときに移植するという治療法がすでに確立されています。
そのため、とくに問題のない親知らずであれば、保存しておいて万が一に備えるという選択肢もあります。
親知らずを抜くタイミング
親知らずを抜く場合は出来るだけ早い方が良く、20代・30代がおすすめです。若い時の方が、骨が軟らかい為抜きやすいのが理由です。
また、虫歯や歯周病になって痛みが出てしまうと、麻酔が効きにくくなる場合があります。一度痛みや腫れが引いてからではないと抜けないため、健康な状態の時に早めに治療をすることをおすすめします。
親知らずを抜く手術について
親知らずの状態によって異なりますが、おおむね15分~1時間程度で終わります。
簡単な場合には普通の歯を抜くのと同様にすぐ抜けますが、歯の大部分が骨の中に埋まっていたり、歯と骨が癒着してたり、歯の根の形が複雑だったりすると抜くのにもかなりの時間がかかります。
穴がふさがるまでは3ヶ月ほどかかりますし、基本的に抜いた後の骨は多少凹凸になります。専門医の治療が必要な場合は紹介させて頂きます。
親知らずを抜いた後は下記のリスクがあります。詳しくは手術前にしっかりとご説明させていただきますのでご安心ください。
痛み:2,3日がピークで1週間程続く事があります。
腫れ:2,3日がピークで1週間程続く事があります。
マヒ:抜いた方の口角付近、口唇、舌の知覚性、運動性のマヒが出ます。症例によっては1~3ヶ月で治りますが、長引くと治るまで何年もかかることがあります。
皮膚のあざ:2~3日ぐらいたつとあざが浮かんでくる事がありますが、青色になって黄色になって治っていきます。
よくある質問
術後は痛み止めを処方致しますが、痛み止めを飲んでいる間は痛みが落ち着いている患者様がほとんどです。
同様に上の親知らずを抜いたからといって、すぐに下の親知らずを抜く必要もありません。
通常の抜歯であれば、お薬代を含んで1000円〜2000円ですが、横に向いて埋まっている親知らずだと5000円近くなります。
(親知らずの周りの歯茎に炎症が強い場合には抜歯は勧められません。このような場合には抗生物質を飲んでいただいて歯茎の炎症が落ち着いてから後日の抜歯とさせていただくことがござます。)
抜歯後数日経過してから急に痛みが増してくるのが特徴的です。ドライソケットに対しては痛み止めを服用していただき落ち着くのを待つという対応になります。 ドライソケットにならないようにする為には抜歯後に強いうがいをしないことが大切になります。
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